2017-02-25
2017年2月第4週の百貨店ニュースのまとめです。
-2月21日 髙島屋大阪店 春の改装
髙島屋大阪店は、2010 年の増床改装オープン以降、変化し続けるお客様のニーズ・感性に応えられる店を目指し、継続的な改装に取り組んで来た。その結果、7 年連続で増収を見込んでいる。今春はプレミア世代に向けた婦人服ゾーン、こども用品売場、スポーツ売場を中心に、現在の顧客によりフィットする売場づくりやブランド導入を行い、店舗の一層の魅力アップを図って行く。
京都髙島屋は、2015 年秋に大規模改装に着手、常にお客様のニーズ・感性に応えられる店を目指し、改装を実施して来た。今春、ベビーや食料品フロアを中心にお客様のニーズにフィットする売場作り、ブランド導入を行い、店舗の一層の魅力向上を目指す。
具体的には、新生児衣料、育児用品、マタニティ衣料・用品ゾーンの改装を行い、2017年3月に「ハローベビーサロン」をオープン、また、地階食料品フロアのベーカリーゾーンをリニューアルオープンする。地階食料品フロアは2015年秋から改装を重ね、3月15日でフロアの約9割を改装したことになる。
-2月22日 そごう・西武のホワイトデー2017
そごう・西武では3月4日より、「SNSでいいね!がもらえる、とっておきスイーツ」をテーマにホワイトデーギフトを展開する。今年のホワイトデーは、猫の足跡型チョコやカラフルな瓶詰めキャンディなどSNSでシェアしたくなるようなスイーツや、マカロン柄の雑貨アイテム、春カラーコスメなど女子が喜ぶギフトアイテムをそろえた。
バレンタインで所謂「友チョコ」が流行っていることも、SNSでいいね!を貰いたい気持ちの女の子が多いのは確かだが、こういったプレスリリースで大々的に発表してしまうことはどうかと思ってしまう。思わずシェアしたくなる、人にあげたくなる商品を集める必要はあるが、宣言する必要はないと思われる。
そごう・西武では3月1日(水)~5日(日)の期間、ひな祭りにおすすめのスイーツやお惣菜を展開する。そごう・西武では、女子会需要の高まりを狙って、オードブルや、お酒、今人気の桃色いちごを使った限定スイーツ、美容・健康に良いと話題の甘酒など大人女子のひな祭りパーティにぴったりなメニュー揃えた。
こちらもSNS映えを考えたメニュー。どれくらいシェアされるのか気になるものだ。またわかりやすいハッシュタグなどがあるとそれも図りやすいのだが、それもなさそう。成果の図り方はどうやっているのだろうか。
- そごう・西武そごう・西武、ご当地インスタントラーメンを特集
そごう・西武のネット通販 e.デパートでは、日本屈指のインスタントラーメン評論家として広く知られる大山即席斎氏と組み、日本全国の隠れた人気インスタントラーメンを特集する。商品選定は過去 1 万 2 千食のインスタントラーメンを食した大山即席斎氏が担当。今回は、現地でしか買えないご当地ラーメンをはじめ、知る人ぞ知るインスタントラーメンを、e.デパート限定特別セットとして販売いたします。
ご当地であるならば、できることならそれぞれの店舗で展開してほしい。同じ商品であるならばAmazonや楽天にもある。実際に店舗での提案こそ百貨店であり、それがあってこそのオムニチャネルである。
-2月23日 三越伊勢丹グループを名乗る不審な電話にご注意ください
三越伊勢丹グループの社員を名乗り、「お客さまのカードを使って買い物しようとしている人がいる」などと言って電話を掛け、さらに「お客さまのカードが不正に利用されるかもしれないので銀行協会から連絡させる」などと言って、言葉巧みにお客さまの取引銀行、口座番号、暗証番号を聞き出したり、ご自宅を訪問してキャッシュカードなどを預かる詐欺が多発しています。弊社の社員、或いは全国銀行協会などを名乗る者から電話や訪問を受けても、絶対に暗証番号などの口座情報を教えたり、キャッシュカードをお渡しすることのないよう十分ご注意ください。
とのことです。まだまだ看板の信頼性はあるのだと思うが、こういった詐欺には十分注意してほしい。
- 東武百貨店池袋本店「通販生活コーナー」8 階売場内に 3 月2 日(木)オープン
東武百貨店 池袋本店は、3 月 2 日にカタログ雑誌『通販生活』の発行や通販サイト『週刊通販生活』を運営する株式会社カタログハウスの売場を8 階「生き活き倶楽部」内にオープンする。この売場では、『通販生活』のベストセラー商品をはじめ、雑貨や化粧品、食料品など厳選アイテムを約 50 種類、紹介。今まで誌面を「読む」ことで購入していた『通販生活』の商品を実際に手に取り「体感」してから購入ができる。
なんというかオムニチャネルというのはこういったことを指すのではないのかという取り組み。実際にWEBで人気の出たアイテムの選りすぐりの提案は、魅力的な売り場、今までなかった商品の導入ができそうだ。
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2017-02-18
2月第3週の百貨店ニュースのまとめです。
-2月13日 YUZAWA Premium vol.2湯沢を知れば、美しく生きられる 秋田「美」人 湯沢「美」人
日本橋三越本店では、「カルチャーリゾート宣言」を行い、日本文化の発信拠点として、日本一楽しめる店・遊べる店を目指している。カルチャーリゾート百貨店では、過去の文化を尊重することに加え、いまを考え、進むべき道を見つけるために、眺めるものではなく使えるものを、難しいものではなく楽しめるものを、衣食住遊で提案していく。本館2階スペースでは、3月1日(水)~14日(火)の会期で、秋田県湯沢市にフォーカスし、『湯沢を知れば、美しく生きられる 秋田「美」人 湯沢「美」人』を開催。世代を越えて日本文化をリスペクトする方へ向け、湯沢市の伝統工芸や技術、風景を、いまをリードするクリエイターやデザイナーのクリエーションを通してご紹介していく。
三越伊勢丹はカルチャー・ファッションの発信の強化に力を注いでいる。こういった取り組みならば、先月TOBしたニッコウトラベルとうまく連携するとおもしろい。ただ、今回はさすがに間に合わなかっただろう。
-2月14日 ザンビアのこどもたちへ、愛と靴を贈ろう!横浜市幼稚園協会と「こども靴贈与式」を実施
そごう横浜店では、1 月 24 日、公益社団法人横浜市幼稚園協会と合同で「こども靴贈
与式」を開催した。そごう・西武では、2009 年より、不要になったこども靴を一般客より集め、公益財団法人ジョイセフを通じて、ザンビアのこどもたちに届ける取り組みを行っており、2017 年 1 月までに約 66 万足のこども靴を集めている。
-2月15日 「GINZA SIX」 開業を記念した特別商品を展開
2017 年 4 月 20 日(木)に、銀座エリア最大の商業施設「GINZA SIX」の開業を記念し、各店舗では、GINZA SIX 限定や他店舗に先駆けた先行販売など、特別商品を展開する。
大丸松坂屋はテナント化を進めてきたが、こういった取り組みはただのテナント屋にはできない。出店店舗をまとめ、一つの商業施設を作り出す技術は百貨店の運営があったからこそである。商品リストは以下のリンクより
高島屋のプレミアムフライデー施策が発表された。
Ⅰ.お父さんの 株上げ手みやげ ・・・手土産として家族に喜ばれるスイーツの提案
Ⅱ.週末 めぐらナイト・・・レストランフロアを気軽に楽しめるプランの提案
Ⅲ.モノコト ウイークエンド・・・セミナー、コンサルティング、サービス等体験型企画
Ⅳ.各店オリジナル企画・・・店舗限定福袋など
高島屋の取り組みはどうしても保守的に感じる。ただ、高島屋はだからこそ高島屋と感じる、昔ながらの百貨店という印象だ。
プレミアムフライデー企画にはレストランフロアを絡めた提案が多いが、こういった企画、友達とではなく会社でとなると、気の休まらない会社員も多そうだ。
「シブヤSTAND」でシブヤビールを飲もう!
東急百貨店は夜カフェブームの元祖で、奥渋で人気のエリア、宇田川町を拠点に渋谷で10店舗を構える人気カフェ『宇田川カフェ』との限定コラボレーションによるイベントを実施する。
金曜はビール!という安易だが絶対楽しい企画。いいんじゃないでしょうか。
-2月16日 LIMITED EDITION by KARL LAGERFELD2017春夏コレクション
そごう・西武は、レディース服とアクセサリーのコレクション“LIMITED EDITION by KARL LAGERFELD”の第二弾のローンチを発表した。
そごう・西武はとにかく自社ブランド「LIMITED EDITION」を強化していく。
「LIMITED EDITION by KARL LAGERFELD」の特設サイトもある。リンクは以下から
LIMITED EDITION by KARL LAGERFELD|西武・そごう
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2017-02-13
2月第2週の百貨店ニュースのまとめです。
-2月7日 大丸創業 300 周年の節目にスタート新たな取り組みの紹介
2017 年、大丸は創業 300 周年を迎えた。この大きな 節目に、さまざまな 300 周年記念企画を展開いたします。そのプロローグとして昨年 11 月に、京都・祇園に、「大丸京都店 祇園町家」を出店している。企画としては
・タラ号の寄港・紹介
・ヴォーグ・ファッションズ・ナイト・アウトの神戸上陸
・デジタル体感型「フラワーミラー」
などなど脱百貨店を一番に掲げる大丸松坂屋として、様々な取り組みを楽しみにしたい。
-2月8日 全ジャケットに名刺入れ用内ポケットを装備リミテッドエディション@オフィス
そごう・西武の女性の仕事服「リミテッドエディション@オフィス」。2016 年 9 月にはブランドを刷新、責任ある立場で活躍するキャリア女性の、機能面でのお悩みである「ポケットがない・小さい」といったお声を反映させ、すべてのスーツ・ジャケットには名刺入れ、スマートフォンを収納できる内ポケットを装備。さらには収納力、機能性をサポートするアイテムとしてインナーポシェットを開発するなど、「使えるキチンと服」にこだわった品揃えを展開していく。
-2月9日 三越伊勢丹+モノつくり公開
サイト内では、アイテム別・エリア別・ブランド別等でコンテンツをご紹介している。
<モノつくりの取り組みを紹介>
三越伊勢丹のモノつくりの姿勢を表現する為、「ヒト」と「場所」を切り口に、デザイナーやクリエーター、職人、産地とのコラボレーションによりバイヤーが開発した商品の紹介を、動画も用いて月に1~2回、更新している。
<三越伊勢丹グループブランドの紹介>
三越伊勢丹グループブランドをライフスタイル、婦人、婦人雑貨、ベビー子供、紳士、リビング、食品のカテゴリー別で約30ブランドを掲載。それぞれが独自のサイト、またはECサイトにつながるようになっているため、より詳細なブランド商品情報が確認できる。
内容云々はおいておいて、このサイト開くと動画・音声が流れるようになっている。正直UXは最悪なものに感じられる・・・
-2月10日 三越伊勢丹HD、ニッコウトラベルにTOB | ロイター | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準
三越伊勢丹ホールディングスは10日、ニッコウトラベルを株式公開買い付け(TOB)で完全子会社化すると発表した。
単純に旅行事業の拡大ではなく、「コト」消費の提案の幅を広げられる、百貨店としての枠を広げるための買収と考えられる。
京都髙島屋で、「髙島屋史料館所蔵 日本美術と髙島屋-交流が育てた秘蔵コレクション-」を開催する。2016 年 4・5 月に名都美術館で、昨年10 月に日本橋髙島屋で開催された展覧会の巡回展となる。
歴史ある百貨店だからできる取り組みは継続してほしい。
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2017-02-05
2017年1月の百貨店各社の売上速報が出ています。
・高島屋
・そごう・西武/1月の売上0.8%減 (2017.02.01)|流通ニュース
三越伊勢丹は前年比-0.8%だったが、初売りを遅らせたことなどを考えると、前年並みといえるのではないだろうか。
大丸松坂屋は前年比+0.8%、高島屋は+0.4%となった。ともに、インバウンド・高額品の売上の伸びが要因となっている。
そごう・西武は-0.8%となったが西武池袋本店は+0.8%となった。依然、地方は苦しい戦いを強いられている。
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2017-02-04
2月第1週の百貨店ニュースのまとめです。
−2月1日 日本経済新聞社「環境経営度調査」小売・外食部門ランキングでそごう・西武が首位獲得
そごう・西武は、第20回「環境経営度調査」(日本経済新聞社実施)の、小売・外食部門ランキングで首位となった。「環境経営推進体制」と「温暖化対策」の2項目で満点、各項目でも高評価となった。
そごう・西武全店では、「グリーンラッピング」活動を 2010 年より導入している。ギフト購入の際、ラッピング用リボンを 100 円で購入すると 50 円が植樹用として寄付される。
その他16 年 3 月西武池袋本店屋上が「都市オアシス」に認定されている。
単純な疑問だが、こういったラッピングは過包装ということにはならないのだろうか。簡易包装は理解できるのだが、なにかそうではない包装紙が使われているのだろうか。
銀座松坂屋の跡地にできる、GINZA SIXが竣工になった。
百貨店ではなく、大型複合施設として全く新しく生まれ変わる。2017年4月20日開業予定。
−2月2日 そごう・西武のプレミアムフライデー
そごう・西武のプレミアムフライデーイベントが発表された。
池袋~横浜 湯めぐりフライデーと銘打って
・西武池袋本店では、屋上で足湯に浸かりながら満喫する一足早い花見。足湯に
癒されながら巨大パネルに描かれる桜を観覧。桜メニューも楽しめる。
・そごう横浜店では気軽に立ち寄れる足湯が登場。足湯に癒された後は、普段よりも早い時間から、ゆっくりと美味しい料理と美味しいお酒に酔いしれることができる。
まったく今までにない「足湯」がキーワードだ。管理人には魅力は感じないが、これが受けるのかどうか、やってみないとわからない。
J.フロント リテイリング史料館は、独立行政法人国際交流基金とフランス国立ギメ東洋美術館との共催で、2 月 22 日(水)~5 月 22 日(月)フランス・パリのギメ美術館に
おいて、「Kimono, au bonheur des dames 展」を開催することとなった。
J.フロント史料館と名古屋市博物館が所蔵する 5000 点を超える松坂屋コレクション
から選りすぐりの 120 点を展示。
会場全体のアーティスティックアドバイザーとして、コシノジュンコ氏を迎え日本
の伝統とフランスモードのマリアージュを演出する。
−2月3日 ニトリ東武池袋店3月15日(水)にオープン
東武百貨店は東武百貨店池袋本店6階に「ニトリ東武池袋店」を 2017 年 3 月 15 日(水)にオープンすることを決定した。西武池袋本店に後塵を拝する東武百貨店だが、同じ土俵で戦わないというのはお互いにとっての利益に思える。ニトリは新宿高島屋、港南台高島屋、名鉄百貨店本店にも出店している。
またニトリはアパレル参入にも意欲を見せている。
ニトリHD会長:アパレル参入意欲、チェーン買収も-「自信ある」 - Bloomberg
百貨店にまた新たなライバルの登場となるだろうか。ただ、購買層が違うと経営者層は思ってしまっている可能性もある。ただ、ニトリがアパレルまで揃えてしまうと、ニトリで「百貨」は揃ってしまう。質も価格も悪くない。